多検体分析型バイオチップの作製を目的として、芳香族化合物や毒性アニオンに対する応答遺伝子に発光遺伝子を融合することを試みた。その結果、セレン酸に応答能を有すると思われる遺伝子断片をセレン酸還元菌から大腸菌にクローニングすることに成功し、プロモーター配列の存在を確認した。しかし大腸菌内での安定性が問題となったため、セレン酸還元菌への遺伝子導入法を開発し、広域宿主ベクターを接合伝達によって安定に遺伝子導入、発現をさせることができた。次にチップ上に固定化した微生物の活性を保持・制御できるような菌体の包埋法・再活性化方法の開発を行い、シリカゲルによる固定化、レスティングセルの利用によって4℃ で約1ヶ月の保存ができた。また、1週間保存したチップでBOD計測が可能であった。更に、測定装置を市販のデジタルカメラなど携帯可能なデバイスに改良してオンサイト計測が可能な測定システムを提案した。
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