研究課題
本研究は、光通信用に開発された安価、高精度、高安定な波長可変光学フィルタ装置を用いた大気微量成分の分光測定装置を開発する。人工光源を用いた測定系や太陽直達光を用いた室内試験測定により、スペクトルを取得し、分光装置自身の評価を行う。更に、野外観測を試み、野外での大気微量成分のスペクトルを測定し、解析を行い野外観測における評価を行う。この結果を基に、多数展開可能な実用環境モニタリングシステムの発展の可能性を探ることを目的とする。前年度に開発した光通信用波長可変光学フィルタを用いた分光装置によって取得したスペクトルの解析結果をもとに、分光装置の改良を行った。つまり、測定制御プログラムの改良、パワーメータのソフトウェア更新、波長可変光学フィルタ装置の光学部の改良を実施した。改良した分光装置を用いて太陽直達光の吸収スペクトルを観測した。取得したスペクトルのデータ解析を行い、大気微量成分の吸収スペクトルが測定することに成功した。より詳細なスペクトル解析を行った。また、野外観測用人工光源観測光学系のための光学部品、小型太陽追尾装置を整備した。野外観測装置としての可能性を観測実験及び解析結果をもとに検討した結果、価格的には可能性があるが、更なる基礎的研究を継続し測定精度や感度を定量化する必要があることがわかった。しかしながら、本研究によりユニークな大気微量成分を測定できる分光装置が実現できたと言える。
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