研究課題/領域番号 |
19510027
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
横畑 泰志 国立大学法人富山大学, 理工学研究部(理学), 准教授 (60222387)
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研究分担者 |
金子 正美 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (00347767)
横田 昌嗣 琉球大学, 理学部, 教授 (90166885)
星野 仏方 酪農学園大学, 環境システム学部, 准教授 (80438366)
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キーワード | 野生化ヤギ / 島嶼生態系 / リモートセンシング / 固有生物 / 自然保護 / 高解像度衛星画像 / 外来種問題 / 航空写真 |
研究概要 |
昨年度に引き続き航空写真と人工衛星画像の分析を行い、以下の知見を得た。 魚釣島にはヤギの食害や踏圧の影響などによる裸地が存在するが、島の総面積に対する裸地の3次元面積率は、放逐直後(1978年11月)の航空写真における18%(草地を含むため過大評価)に対して、イコノス衛星(地表面での最少識別距離約80cm)による2000年5月の画像では21%、Quickbird衛星(同、約60cm)による2006年6月の画像では26%と増加を続けていた。航空写真と人工衛星の画像から合成した全景鳥瞰図によると、南斜面の植生は壊滅的な被害を受けていた。裸地は島の比較的標高の低い場所により多く発生していたが、新納・新城・(1980)の植生図には、そうした低標高域に存在するいくつかの特異的植物群落が示されており、それらの群落が非常に深刻な裸地化の影響を受けていた。センカクモグラMogera uchidai.などのいくつかの固有生物は、標高の高い島の中心部に存在する冷涼な雲霧林帯に依存していると考えられるが、近い将来、その部分に大きな影響が及ぶことにより、それらが絶滅することが懸念された。 以上の結果の一部および前年度の結果は環境省自然環境局野生生物課にも報告され、行政判断に用いられている。
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