研究課題/領域番号 |
19510030
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
洲崎 敏伸 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (00187692)
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研究分担者 |
吉村 知里 神戸大学, 環境管理センター, 助教 (60362761)
安藤 元紀 岡山大学, 教育学部, 准教授 (20222789)
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キーワード | 水質モニタリング / 誘電解析 / インピーダンス / 原生動物 / バイオアッセイ / 国際研究者交流 / 中国 |
研究概要 |
本研究の目標は、原生動物を水質汚染の指標生物として利用し、水中における有害物質の有無を即座に確認できるバイオモニタリングシステムを開発することである。昨年度までに、原生動物のインピーダンス特性に関する測定データを、現象論解析および原生動物の細胞形態を反映した理論解析のアルゴリズムを用いて解析し、細胞各部の電気的パラメータを算出するための誘電解析コンピュータプログラムを自作した。これにより、有害物質がどの細胞小器官に対してどのように影響を示したのかを推定することが可能となった。今年度は、プログラムの共同開発者である中国・寧波大学の馬教授との国際研究を継続して実施する目的で、馬教授の研究室で実際に誘電解析をテーマに研究を行っている大学院生を短期間招聘し、神戸大学および岡山大学において、プログラムをより実用的なものとするための研究打ち合わせを実施した。また、細胞の電気的・形態的特性を用いた水質監視バイオモニタリング装置に用いるセル装置の試作を行った。さらに、この装置を利用し、ユーグレナやタイヨウチュウを用いたシステムの性能試験を行った。具体的には、ミドリムシの葉緑体欠損株と正常株の誘電挙動を比較することにより、細胞を生かした状態で細胞内小器官である葉緑体の電気的特性を推定可能かどうか検討した結果、ミドリムシの葉緑体の有無を誘電挙動の違いとして捉えることが、誘電解析法により可能であることがわかった。
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