研究課題/領域番号 |
19510036
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
石原 陽子 久留米大学, 医学部, 教授 (50203021)
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研究分担者 |
萩原 啓実 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 教授 (90189465)
新井 雅隆 群馬大学, 工学部, 教授 (80112176)
田中 永一郎 久留米大学, 医学部, 教授 (80188284)
長谷川 豪 久留米大学, 医学部, 助教 (80383751)
小山 哲史 久留米大学, 医学部, 助教 (10549637)
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キーワード | ナノ粒子 / フラーレン / フラーレンウイスカー / 脳・神経 / 細胞毒性 / 環境政策 / ナノマテリアル / 急性毒性 |
研究概要 |
[1]昨年に引き続き、特殊鼻部暴露ナノ粒子発生装置の性能試験を行い、最適な暴露ができるように改良を行い、暴露条件について検討した。 [2](独)物質・材料研究機構より供与されたその物理的化学的特性が既知の新規開発ナノマテリアルのフラーレンウィスカーを用いてフラーレンを対象物質とし、in vitro実験とin vivo実験を実施した。その結果、試料0.1-100μg/mlの濃度では、マクロファージ様細胞、リンパ球、線維芽細胞などの培養細胞では、活発な粒子取り込みが認められた。しかしながら、生細胞数、LDH露出量による細胞障害性試験や細胞増殖能、発がん性試験のAmes試験では対象細胞あるいは対照物質のフラーレンと比較して有意な変化は認めなかった。 [3]マウス脳より抽出したアストロサイトやミクログリアでは、フラーレン、フラーレンウイスカー粒子の取り込みを認めたが、細胞障害性や細胞増殖能の促進は認めなかった。マウス脳神経細胞での粒子取り込みは認めなかった。 [4]In vitro実験では、フラーレン、フラーレンウイスカー、結晶シリカ、UICCクロシドライトを用いて急性暴露影響について検討した。その結果、気管内単回投与7日後の急性毒性では、フラーレン、フラーレンウイスカーともに肺胞マクロファージにより活発に貪食されていたが、炎症細胞の肺組織への遊走は認めず、気管支肺胞洗浄液中のタンパク量の増加も認めなかった。加えて、抹消血液中の血液像や血球数にも明確な影響は認めなかった。 [5]慢性影響については、現在継続実験中である。
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