栄養を十分に与えた植物プランクトンの窒素(N):リン(P)比と、実際に増殖に影響が生じる増殖制限NP比を検討したところ、どの分類群においても、ゆとりとして貯蔵できる量はNに比べPが多く、増殖制限となるNP比は、制限栄養塩の目安として使われてきたレッドフィールド比より大きなNP比となった。したがって、従来考えられていたより植物プランクトンはN制限の影響を受けやすいことが示唆された。琵琶湖南湖における溶存態リンと溶存態窒素の供給パターンには相違があり、これにより供給NP比も変動する。このことが植物プランクトンの種組成と優占状況に影響していると推察された。
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