研究概要 |
当該年度に実施した研究の成果は学術雑誌,国内会議,国際会議での口頭発表,ならびに海外での招待講演で個別にまとめられたものが公開されている. 学術雑誌と国内会議での口頭発表の内容は,交付申請書に記載した「研究の目的」にある製造業を対象にシステム工学的な観点から適正な在庫配置と生産工程を統一的に捉えなおして,戦略的なプロダクトマネジメントに関する研究成果をまとめたものである.これは19年度の「研究実施計画」にある生産工程の数理モデル化,計量する評価指標の定式化ならびに実データへの適用による検証の部分に相当している.具体的には,マスカスタマイゼーション化による製造仕様の多様性に対する生産効率性の低下,完成品在庫増の抑制を実現する手法を提案した.その意義と重要性は新しい評価指標の定式化として未達率という概念を導入してサプライチェーンにおける生産管理を議論している点である. 国際会議での口頭発表と海外での招待講演の内容は,「研究の目的」にある業務手順を考慮したインベントリデータベースをサーバに構築して,環境負荷データや生産活動に付随する情報の入力インタフェース構築に関するものである.これは19年度の「研究実施計画」にある生産工程における業務手順の把握,業務手順ごとにインベントリデータの収集と登録を実現する部分に相当している.具体的には,民間の企業から協力を得てその業務工程のモデル化して,生産管理と環境影響評価の連動を可能とするWeb-based LCA Systemを開発している.現在,インターネット上で分散環境での動作実験を終えたところである.その意義は20年度の「研究実施計画」にある適正在庫やスケジューリングなどの最適化を組み込む対象を準備できたことである.重要性は,異なる生産プロセスにおいても環境負荷の見積もりに共通した数値を用いることで標準化を実現することができることである.
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