研究概要 |
当該年度に実施した研究の成果は学術雑誌,国内会議,国際会議での口頭発表,ならびに海外での講演で個別にまとめられたものが公開されている. 学術雑誌と国内会議での口頭発表の内容は,交付申請書に記載した「研究の目的」にある業務手順を考慮したインベントリデータベースを分散管理が可能なサーバに構築して,異なる生産プロセスにおいても環境負荷の見積もりに共通した数値を用いることで標準化を実現し,環境負荷データや生産活動に付随する情報の入カインタフェース構築と適正在庫やスケジューリングなどの最適化の援用により,利潤と環境負荷のバランスを対話型で見出すことのできる環境経営支援システムの開発と社会への普及に関する研究成果をまとめたものである. これは20年度の「研究実施計画」にあるマスカスタマイゼーションに対応にともなう生産の複雑さ,生産準備負荷の拡大,在庫の増加といった問題の解決のため,製品仕様の多様性の拡大を抑制し生産効率を高める方法としての部品の共通化などの製品設計,工程設計についてコストと環境負荷が見積もられることを確認する部分に相当している,具体的には,選択された評価指標に関するコストと環境負荷といった多目的の最適化問題をその特徴に応じて解く新しい手法の開発を行った.さらにはその提案手法にもとついて,複数の非劣なパレート解から環境経営にとって望ましい解の選択が可能となるシステムの提案を行うことで,コストと環境負荷のバランスに配慮した製品設計,工程設計の実現を目指した. 本申請で開発されたシステムは現在,インドネシア,中国,フィリピン,マレーシアなどにおいてデータ提供の協力者によって活用されている.
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