研究課題/領域番号 |
19510050
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中村 愼一郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (20180367)
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研究分担者 |
近藤 康之 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80313584)
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キーワード | 環境マネジメント / 環境経済 / 再資源化 / 有価物回収 / ゼロエミッション / 廃棄物発生抑制 / 純粋金属保全 |
研究概要 |
金属、特に非鉄金属の生産においては、多くの副産物が得られる.よく知られた例が銅や鉛製錬の副産物としての銀生産である.実際、我が国で生産される銀の大半は製錬副産物起源であり、この傾向は世界的にも当てはまる.銀においてはメキシコなどにおける銀鉱山からの生産も存在するが、ビスマスに至っては専ら鉛製錬から得られている.従って.金属資源のMFAにおいては、金属生産のこの著しい性質を的確に反映することが現実に妥当する分析を行うために必要である.現状のMFAは特定のマテリアル/物質のみを扱うことが殆どであるので、この点を考慮することが出来ない.一方、環境配慮の面から銀を用いる「鉛フリーハンダ」の普及が進んでおり、銀需要の増加が予想され、この種の分析への要請が高まっている. 本年度は銅/鉛/亜鉛生産における副産物としての金銀生産過程を金蔵製錬についての技術的知見と統計データからモデル化した.一見複雑に見える非鉄金属生産過程を、(1)主生産物と生産プロセスの同定、(2)閉鎖系にある複数プロセスの垂直統合、によって簡素化した.更に、副産物をマイナス投入方式で計上することにより、非鉄金属生産過程を廃棄物産業連関の枠組みに取り込めることを明らかにした.廃棄物産業連関データを金・銀・錫までも含むように拡張してモデル分析を行い、鉛フリーハンダ(SAC型)普及により銀精鉱需要が相加する結果が得られた.更に、WIO-MFA手法によって製品に含まれる銀資源量を推定したところ、自動車に最も含まれるとする結果が得られた.これら成果を各種の国際学会で発表した.
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