研究課題
1.ニワトリPAB2 cDNAの同定先にクローニングしたニワトリPALB2 cDNAの断片をもとにRACE法によって全長cDNAのクローニングを計画していた矢先に、NCBIのデーターベースに全長のニワトリcDNA配列が報告された(accession#XM_414873)。ヒトとニワトリのPALB2蛋白はほぼ同じ大きさで、アミノ酸配列はC末端半分の方がより高い相同性を持っていた。2.PALB2破壊細胞の樹立ニワトリPALB2のC末端が欠失するような破壊細胞を樹立することができた。すなわちPALB2遺伝子は、DT40細胞の増殖に必須ではなかった。3.PALB2破壊細胞の表現型解析(i)増殖速度:野生型よりも増殖速度が有意に遅かった(倍加時間10.6時間cf.野生型8.0時間)。しかしBRCA2破壊細胞の方がより遅い増殖であった(倍加時間11.7時間)。(ii)DNA損傷に対する感受性:PALB2破壊細胞はシスプラチンやカンプトテシンに対して野生型細胞より強い感受性を示したが、BRCA2破壊細胞ほど強い感受性ではなかった。(iii)DNA損傷後のRAD51蛋白の細胞内局在:細胞に電離放射線を照射すると、野生型細胞では核内にRAD51蛋白質の集合が複数の焦点として確認できるが、PALB2破壊細胞では焦点の数、強さともに野生型ほど顕著ではなかった。
すべて 2007
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Cancer Res 67
ページ: 9658-9665
ページ: 11117-11122