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2008 年度 実績報告書

ラン藻の重金属イオンに対する新規なトキシコロジーと耐性機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19510068
研究機関岡山大学

研究代表者

中島 進  岡山大学, 資源生物科学研究所, 准教授 (60033122)

研究分担者 江崎 文一  岡山大学, 資源生物科学研究科, 准教授 (90243500)
キーワードラン藻 / Oscillatoria brevis / 重金属 / トキシコロジー / 重金属耐性機構 / 重金属輸送体
研究概要

本年度の研究では、貴金属(Au,Pt,Pd)を含む重金属イオンに対する糸状体ラン藻の応答反応と耐性機構について検討した。(1)重金属とラン藻等由来の光合成補助色素PE(Phycoerythrin), PC(Phycocyanin)を反応させ、PEとPCの蛍光強度を測定した。Ag,Cu,Au,Pt,PdはPE,PCと混合すると濃度依存的に蛍光強度の著しい減衰が認められ、水中の低濃度のAg,Cu,Au,Pt,Pdイオンの検出に有用であることが判明した。CdとZnに関しては、蛍光強度は減衰せず、反応性は低いと考えられた。(2)ラン藻細胞を含む培地に重金属イオンを投与すると細胞膜が傷害を受けて、投与した重金属濃度に依存して、細胞からPE,PCが溶出することが認められた。従って本法により水中に存在する低濃度の重金属イオンを簡便にモニタリングすることが可能である。(3)貴金属を含む重金属イオン溶液にOscillatoria brevis細胞を添加すると、貴金属イオンは他の重金属イオン(Cd,Zn,Cu,Ag)に比べてよく吸着されることが判明した。(4)O.brevis由来の重金属輸送体Bxa1のN末に存在するHisリッチドメインは、2つのCys残基の後にHisリッチなモチーフを含み、他の重金属輸送体のそれとは大きく異なっている。本研究ではBxa1のより詳細な解析を行うために酵母と大腸菌の両方でheterologous expressionを行った結果、Bxa1は重金属輸送に関係する重要なタンパク質であることがわかった。しかし、酵母での結果が大腸菌と逆の結果になり、その原因として酵母ではBxa1の細胞内局在が大きく関わっていることが考えられた。また、Bxa1のN末のHisリッチ領域を欠損させることによって、Bxa1は機能を失うことが示され、O.brevisのBxa1のN末に存在するHisリッチドメインが、1価及び2価の重金属に対する耐性に必要不可欠であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] かび臭物質産生ラン藻 Oscillatoria brevis におけるメタロチオネインのプロファイルに及ぼす重金属イオンの影響2008

    • 著者名/発表者名
      中島進、広瀬和信、橋本あづさ、江崎文一、山崎良樹、今野晴義
    • 雑誌名

      分取クロマトグラフィー研究会誌 3

      ページ: 53-61

  • [雑誌論文] Role of N-terminal His-rich domain of Oscillatoria brevis Bxal in both Ag(I)/Cu(I) and Cd(10/Zn(II)tolerance2008

    • 著者名/発表者名
      E.Nakakihara, H.Kondo, S.Nakashima, B.Ezaki
    • 雑誌名

      The Open Microbiology Journal 27

      ページ: 951-961

    • 査読あり
  • [学会発表] 重金属イオンに対するかび臭物質産生ラン藻の応答反応(2)2008

    • 著者名/発表者名
      中島進
    • 学会等名
      日本水処理生物学会第45回大会
    • 発表場所
      秋田
    • 年月日
      2008-11-13
  • [学会発表] 重金属イオンに対するかび臭物質産生ラン藻の応答反応(1)2008

    • 著者名/発表者名
      中島進、福田由紀子、橋本あづさ、江崎文一
    • 学会等名
      日本水処理生物学会45回大会
    • 発表場所
      秋田
    • 年月日
      2008-11-13
  • [学会発表] 糸状体ラン藻に及ぼす重金属の用の解析2008

    • 著者名/発表者名
      中島進、江崎文一、山崎良樹、今野晴義
    • 学会等名
      第3回分取クロマトグラフィー研究発表会
    • 発表場所
      倉敷
    • 年月日
      2008-04-19

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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