研究概要 |
内分泌撹乱物質のダイオキシン(2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin, TCDD)によるビタミンD、骨Ca代謝および骨形成に及ぼす影響とその毒性発現メカニズムを解明するために研究をおこなった。出産1日目に体重kg当たり15μgのTCDDを経口的に投与した母マウスの母乳を介して仔マウスにTCDDを曝露し、検体を採取して骨代謝関連因子を組織学的、生化学的、分子生物学的に分析しその発現機構を総合的に解析した。本研究は、TCDDが活性型ビタミンD合成を促進させる結果、血中のビタミンDの恒常的な高濃度をもたらし、この高ビタミンD血症が骨芽細胞の活性抑制と骨の石灰化を阻害するというダイオキシンの骨毒性発現の本態を明らかにした。
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