研究概要 |
下水処理によって大量発生する余剰汚泥や都市型生ゴミなどを嫌気的な微生物群により分解して有機質の持つエネルギーをメタンガスとして回収する取り組みが積極的に行われてきている。本研究は,この嫌気的な汚泥消化・メタン生成プロセスに関わる複雑な微生物叢を階層的に特徴が類似している三つの微生物群(加水分解菌群,水素・酢酸生成菌群,メタン生成アーケア群)に大別し,これらの培養に多段連続型バイオリアクターを導入することよって嫌気性微生物の共生関係を解明し,高効率なメタン生成プロセスを設計することを目的とする。 先ず,各槽2Lから成る3段直列メタン生成培養装置を製作し,各槽同一の条件で嫌気汚泥の連続培養を試みた。その結果,連続運転における様々な問題(汚泥濃度,液供給速度,ガス出口装置形状など)が明らかとなり,これらを考慮して装置を改良し,その運転を行なっている。また,小型の密閉型ガラス培養器も製作し,回分培養による培養温度条件の検討を行った。一方,嫌気微生物群を分析するためのリアルタイムPCRに用いるプライマーの作成と改良を試み,分析条件の検討を行なった。
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