研究概要 |
平成20年度は、住空間、あるいは福祉施設や病院などの医療施設・ホスピス等に、自然や生物情報に基づいたサステイナブルかつ省エネルギーな快適空間の設計指針を提供する一環として、まず脳波計測及びポストプロセッシング法を構築した。ここでは、脳波計の入手と同時に、生物活動や自然現象に見られる「ゆらぎ」を対象に感性評価をより定量的に定義・同定するため、従来から研究されているα波の動的な挙動だけではなく、脳波のウエーブレット解析、フラクタル解析、カオス解析法を構築し、ネイチャー・テクノロジーを援用したサスティナブルな環境空間の快適性評価を行つた。さらに、快適環境の要素技術として、外断熱技術や遮熱塗料による遮熱技術の基礎的研究およびマイクロバブルによる水質改善の技術的研究を遂行した。 自然や生物情報を援用した快適性評価を実施した結果について述べる。まず、スズムシなど鳴く虫の音などが創造した音に関する脳波解析を実施して感性の定量評価を行ったところ、虫の音にはl/fゆらぎの成分が含まれ、音を聞いた被験者の脳波にはα波が見られた。ハチ類の巣の構造と内部の温度を調査して, 効率的な冷房・暖房法を考察した。また、和の色、洋の色、原色に対する感性評価を行って, 人々が身のまわりの色をどのようにとらえているかを調査した。外断熱技術や遮熱塗料による遮熱技術についての野外・室内で測定をした結果、それぞれの要素技術の省エネルギー性について明らかにし、その組合せによるさらなる環境負荷技術の可能性を提案した。マイクロバブルによる水質改善の技術的研究の基礎的研究としてマイクロバブル発生装置の開発を行い、微細気泡の発生に成功した。
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