研究課題/領域番号 |
19510086
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
青木 健次 神戸大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60031225)
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研究分担者 |
竹中 慎治 神戸大学, 大学院・農学研究科, 助教 (40314512)
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キーワード | NH_4^+ / NO_3^- / 同時除去 / Bacillus liqueniformis / Pseudomonas aeruginosa / バイオフィルム / 耐熱性微生物 / 排水処理 |
研究概要 |
排水中に含まれるNH_4^+やNO_3^-などの窒素化合物は、湖沼や閉鎖海域における富栄養化の原因物質の一つである。これらの効率的除去技術の開発は緊急を要する課題である。本研究では、申請者の見いだしたNH_4^+とNO_3^-を同時に除去する微生物を用いた水処理法の開発を目的とし、次の成果を得た。 高温、低温、酸性条件下など特殊環境でNH_4^+とNO_3^-を同時に除去する微生物を新たに検索し、種々の優良菌株を得た。すなわち、中温(30℃)および高温(50℃)の両方でNH_4^+とNO_3^-を同時に除去する耐熱性菌BacillusliqueniformisT-7-2株を土壌より分離し、両窒素化合物を除去するための最適条件を設定した。本菌は、日本の夏期や熱帯地方における排水処理において有効に機能する。また、保存菌株中から得たPseudomonasaeruginosa NBRC12689株は、排水中の窒素化合物としては高濃度である0.5%NH_4NO_3を3日間で除去できることを見いだした。本菌は高濃度のNH_4^+やNO_3^-が存在する条件下で使用できる。さらに、炭素源濃度の低い条件下でNH_4^+とNO_3^-を同時に除去する菌株を土壌より分離し、本菌は1%グルコースでも効率的に両者を除去することを見いだした。本菌は、最小限の炭素源添加でNH_4^+やNO_3^-を効率的に除去できる。 一方、すでに保持している菌株および上記の菌株を用いて、観賞用水槽におけるNH_4^+やNO_3^-の効率的除去のための基礎実験を行った。その結果、微生物のバイオフルムを形成させる「足場」として炭化綿が有効であることを見いだした。
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