研究概要 |
平成20年度の研究では,人畜のふん便性汚染指標であるふん便性大腸菌群とふん便性連鎖球菌に着目し,沿岸都市である宮崎市のレクリエーションエリアを対象として,海辺の波打ち際の海水および砂のモニタリング調査を実施した。調査は,沿岸都市である宮崎市の白浜海岸から清武川河口周辺の沿岸域を調査対象とした。海岸線沿いに16地点を試料採取地点とし,南から順に試料採取を行った。この調査対象エリア内には,白浜海水浴場,青島海水浴場,サーフィン場があり,人々が多く集う場所が点在する。この調査域には,突浪川,加江田川,清武川の3河川の河口があり,河川水がこの流域に流入している. 調査の結果,ふん便汚染指標細菌であるふん便性大腸菌とふん便性連鎖球菌は,冬季に比べて夏季に多く検出された。梅雨期に急激に細菌数が増加したことから河川水の流出による影響が大きいことと,その後細菌数が減少した後海開き後に再び増加したことから,レクリエーションエリアにおける人間活動も少なからず影響していることが示唆された。また,海水浴場となっているにもかかわらず,他の地点よりかなり多くの細菌が検出された。海浜レクリエーションエリアにおける公衆衛生の向上を達成するためには,このような他の場所よりも健康へのリスクが高い可能性が示唆される地点における更なる細菌学的な調査の実施,実態の把握が必要である。
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