研究概要 |
世界的にみても水環境の水質保全技術・管理が最も進んでいる我が国の沿岸環境において,病原性細菌・ウィルス汚染による人間への感染・発症のリスクは,それほど低くないことが報告され始めてきている。真に安心して生活できる沿岸都市を構築するためには,食品・飲料水の検査等とは異なる視点からも,沿岸環境における細菌学的調査による実態把握ならびに汚染源を追跡できる手法の開発が強く望まれる。本研究では,沿岸都市域のモデルエリアとして,日向灘に面する宮崎県宮崎市周辺水域を対象とし,河川・河口・沿岸域のふん便性大腸菌と腸球菌を経年モニタリングして動態・消長に関する情報・知見を蓄積するとともに,先端的分子生物学的解析法であるパルスフィールド電気泳動法(PFGE法)を水環境に応用して,沿岸都市における細菌汚染源の追跡手法を開発する。
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