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2008 年度 実績報告書

鉄・マンガン酸化細菌群集による微量金属の除去機構と地下水浄化技術への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19510091
研究機関秋田県立大学

研究代表者

宮田 直幸  秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (20285191)

キーワード鉄酸化細菌 / マンガン酸化細菌 / 集積培養 / 微量金属イオン / 重金属 / 微生物群集 / 汚染地下水 / 水質浄化
研究概要

本研究では、鉄・マンガン酸化集積培養系を活用した汚染地下水の浄化システムを構築することを最終の目的としている。本年度は、作製した集積培養系による微量金属イオンの吸着特性、および集積培養系のマンガン酸化を担う細菌群について検討し、以下の知見を得た。
1.鉄・マンガン酸化物を沈積した集積培養物(凍結乾燥品)を用いてCo(II)、Ni(II)及びZn(II)の吸着等温線を作成した結果、各金属とも試験した濃度範囲(〜800μM)ではFreundlich式に従うことがわかった。マンガン酸化物のみを含む培養物でも各金属に対してほぼ同等の吸着量であり、集積培養系による金属イオンの吸着にはマンガン酸化物が大きく関与することが示唆された。
2.微量(各50μg/L)のCo(II)、Ni(II)及びZn(II)を添加して回分培養試験を行った。その結果、溶存態鉄・マンガンの除去に伴い微量金属イオンも水相より除去された。試験した金属イオンの中ではCo(II)の除去率が最も大きく、次いでNi(II)、Zn(II)の順であった。Co(II)はマンガン酸化物により酸化されて不溶化するため、高い除去率が得られたと推察された。
3.マンガン酸化集積培養系より、あらたにマンガン酸化細菌を分離した。本菌は平板培地上で酵母様微生物と共存した状態で得られ、単離して純粋培養することは困難であったが、分子系統解析によりα-プロテオバクテリアに属する新規の細菌であることが分った。さらに、前年度のクローン法による細菌群集構造の解析結果と併せると、本菌(またはその近縁種)はマンガン酸化集積培養系の主要細菌群として(全クローンの11%を占めていた)、マンガン酸化機能を担っていると示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Environmental Application of Biogenic Metal 0xide Production2008

    • 著者名/発表者名
      宮田直幸, 尾崎保夫
    • 学会等名
      日韓環境技術ワークショップ
    • 発表場所
      韓国, 釜山市, 釜山大学
    • 年月日
      2008-12-12
  • [学会発表] Mn酸化真菌のMn酸化物形成過程における微量金属イオン吸着特性2008

    • 著者名/発表者名
      保坂祐貴, 谷幸則, 宮田直幸, 坂田昌弘, 岩堀恵祐
    • 学会等名
      日本水処理生物学会第45回大会
    • 発表場所
      秋田市, 市文化会館
    • 年月日
      2008-11-13
  • [図書] メタルバイオテクノロジーによる環境保全と資源回収(植田充美、池道彦監修), 「マンガン酸化菌を利用した微量元素処理・回収」2009

    • 著者名/発表者名
      谷幸則, 宮田直幸
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      (株)シーェムシー

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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