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2009 年度 実績報告書

地下に漏出した有機溶剤の洗浄剤注入による回収効率と下層への汚染拡散に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19510097
研究機関独立行政法人国立環境研究所

研究代表者

稲葉 一穂  独立行政法人国立環境研究所, 水土壌圏環境研究領域, 室長 (60176401)

キーワード土壌・地下水汚染除去技術 / 洗浄剤注入法 / 有機塩素系溶剤 / 重力浸透挙動 / 下方浸透 / 汚染拡散
研究概要

代表者はこれまで、ガラスビーズを充填した模擬土壌カラムに、ある種の界面活性剤水溶液を充填すると、トリクロロエチレン(TCE)のような有機塩素系溶剤の原液状態での下方浸透挙動が大きく変化することを明らかにしてきた。この現象は、洗浄剤を注入して土壌・地下水汚染を除去する工法の際に、汚染の下方への拡散につながる可能性がある。本課題では、この下方浸透性を支配する因子を抽出することを主たる目的としている。
21年度は20年度の結果を踏まえて、直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)、セチルトリメチルアンモニウム臭化物塩(CTMA)、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(B35)の3種の界面活性剤が共存する場合のTCEの下方浸透挙動を詳細に検討すると共に、テトラクロレチレン(PCE)、ジクロロエチレン(DCE)原液のガラスビーズ充填カラム中での挙動の測定を開始した。有機溶剤としてTCEを使用した場合、共存する界面活性剤の種類と濃度によって、下方浸透の起こりやすさと速度に大きな差があることが分かった。LASが共存する場合、臨界ミセル濃度程度までの濃度では、粒径0.2mm程度のガラスビーズの空隙を通過できるが、臨界ミセル濃度以上の濃度では0.4mm径以上の空隙を必要とした。CTMAではLASのような複雑な濃度依存性は示さず、CTMA濃度が上昇するとTCE原液は浸透しやすくなるが、0.4mmビーズにより作られる空隙を必要とした。B35の場合には、下方浸透に非常に大きな空隙を必要とすることが分かった。
これらの結果から、有機溶剤原液の下方浸透の起こりやすさと速度は、共存する界面活性剤の性質によって大きく異なることが明らかとなった。この現象を説明するために、ガラスビーズ表面への界面活性剤分子の吸着性を測定中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Effect of several surfactants on rates and pathways of reductive dechlorination reaction of three chloroethylenes by zerovalent iron powder2010

    • 著者名/発表者名
      Sameh R.A.AYOUB
    • 雑誌名

      環境科学会誌 23巻

      ページ: 18-30

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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