研究課題
基盤研究(C)
ハイテク工場の貯蔵タンクからの漏出などによる土壌・地下水圏の有機塩素系溶剤汚染の浄化法として、洗浄剤注入法の開発が進んでいる。この方法は、地下に溜まった溶剤を界面活性剤溶液を注入して強制的に移動回収するため、技術の効率のみならず、洗浄剤による新たな環境汚染が懸念される。これまでの研究において、幾つかの種類の界面活性剤が共存した場合に、トリクロロエチレン原液の空隙への浸透性が著しく増大し、非常に細かな空隙を通過して下方へと移動することが明らかとなった。これは実際の地下において不透水層の表面に滞留した溶剤原液が、微細なクラックなどを経由してさらに下方へと移動するために汚染が拡散する可能性を示している。本課題では、この界面活性剤が共存した場合に起こる有機塩素系溶剤の下方浸透性の増大現象について、どの様な物理・化学的因子が寄与しているのかを実験室レベルで明らかにすることを目的としている。そして、汚染の拡散を引き起こすことなく安全に漏出溶剤を回収できる洗浄剤の選択が行えるような指針を設定することを最終的な目標としている。
すべて 2010 2009 2008 2007
すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (2件)
Environ.Sci. 23
ページ: 18-30
Environ.Technol. 29
ページ: 363-373
Environ.Sci. 20
ページ: 477-483