研究課題/領域番号 |
19510100
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
戸高 恵美子 千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 助教 (30334212)
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研究分担者 |
森 千里 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (90174375)
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キーワード | ケミレスタウン / シックハウス症候群 / シックスクール症候群 / 環境改善型予防医学 / 環境ユニバーサルデザイン / 環境健康科学 / 揮発性有機化合物 / 空気測定 |
研究概要 |
平成20年度は前年度に引き続き千葉大学環境健康フィールド科学センター内のケミレスタウンにおいて室内空気中の化学物質濃度を季節ごとに測定した。測定場所は戸建住宅を想定した実験棟4棟と公共施設(学校教室、図書館、病院、事務室)を想定した実験棟で、気中濃度測定の他、化学物質の濃度が比較的高かった場所においては、発生源を調べる調査をおこなうとともにボランティアの方に短時間滞在していただいて体感評価調査も実施した。また、同時期に建設された建材・施工方法が異なる大学内の居室2部屋をそれぞれ室内空気濃度測定と体感調査を行い、比較した。これらの実験の結果、室内に存在する化学物質は数多くあり、厚生労働省で指針値がでている物質は減少する傾向にあるが、その代替品や、今まで室内空気中に存在することが想定されておらず、同定されることのなかった化学物質が検出されることが多くなっていることがわかってきた。ヒトにシックハウス症候群などの症状を引き起こす化学物質は、個人によって大きく異なり、微量の化学物質が多数存在する状況では、原因物質を特定することは困難ではあるが、化学物質の総量(TVOC)が400μg/m3と250μg/m3の居室を比較すると少ない居室のほうが症状がでにくいこともわかった。また、これまでは自然の素材は健康によいものとされてきたが、天然木材から発生するテルペン類などの天然由来の化学物質によって体調を崩すことがあるということがわかり、これらの化学物質も削減対象となると思われるが、もう少し詳細な調査が必要である。
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