研究課題/領域番号 |
19510112
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
梅津 郁朗 甲南大学, 理工学部, 教授 (30203582)
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研究分担者 |
杉村 陽 甲南大学, 理工学部, 教授 (30278791)
稲田 貢 関西大学, 工学部, 講師 (00330407)
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キーワード | レーザーアブレーション / ナノ結晶 / シリコン / 凝集構造 / フラクタル / 自己組織化 / コアシェル / 光吸収 |
研究概要 |
バックグラウンドガスにヘリウムと水素の混合ガスを用い、総ガス圧と水素分圧を変化させてナノ構造集合体の凝集構造を観察した。その結果、凝集構造に対する総圧および水素の効果を鮮明にすることが可能となった。低い総ガス圧のもとでは水素分圧の上昇とともにナノ結晶の表面水素化によって空孔度が上昇した。それに対して、高い総ガス圧の下では水素分圧が低いときには大きな繊維状構造をとり堆積物は粗な構造となり、水素分圧を上昇させると繊維状構造の成長は少なく密な構造をとる。これは水素ガスによる表面水素化がナノ結晶の凝集を妨げ、総ガス圧が高いときにはナノ結晶の凝集がガス中で起き,低いときには基板上で起きるためと考えると説明がつく。さらにターゲット-基板間距離、レーザーフルエンスを変化させて同様に形状を調べたところ、ガス圧の効果はターゲット-基板間距離とプルームの大きさの相対関係が重要であると言うことが示唆された。得られた結果を用いてシリコンナノ結晶1次元的な集合体と3次元的な集合体を作成し、その電気伝導を測定した。その結果、1次元的な集合体の電気伝導メカニズムはバリアブルレンジホッピングであるのに対して、3次元的な集合体ではランダムなクーロンブロケイドが関与したパーコレーション伝導となることがわかった。ナノ結晶集合体の粗密度の制御を光触媒の表面構造の制御に応用すれば光触媒効果の向上につながると考えられる。そこでこの手法をInNiTaOに適用したところ化学量論比に近いInNiTaOナノ結晶を作成することに成功し、凝集構造体から光触媒機能を確認した。
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