研究課題/領域番号 |
19510122
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
北澤 真一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究員 (10373234)
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研究分担者 |
斎藤 勇一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 放射線高度利用施設部, 研究副主幹 (40360424)
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キーワード | 合金ナノチューブ / 結晶成長 / 原子・分子物理 / 自己組織化 / ナノ材料 / レーザー・アブレーション / 蛍光分光 / 表面科学 |
研究概要 |
1)実験装置の整備 実験装置の整備として、(1)アブレーション用レーザーの調整、(2)結晶成長チェンバーの設置、(3)排気系の確保、(4)温度制御系の設定を行い、アブレーション過程の基礎的なデータを収集する目的で、試料に10keV程度のイオンを照射し、その分光実験を行った。二酸化チタンを用いた分光実験では、スパッタされたイオンからの発光にバンドギャップに相当するエネルギーのギャップがあることを見出した。これにより、合金ナノチューブの生成および測定に、同様の手法が適応できることがわかった。 2)創成機構のモデル化および公表 これまでに生成したNi2In3合金ナノチューブの形状を、生成条件により解析し生成機構のモデルを組み立てた。すなわち、蒸着したC-Ni-In混合薄膜を熱処理すると、融点の低いInが液体状態で、融点の高いNiを取り込みながら、過冷却状態の合金を含んだ液体金属が、蒸着薄膜内の残留圧力で薄膜表面上に押し出され、液体状の島を形成する。その島が、冷却により急激に結晶化していくというモデルを構築した。既存の合金ナノチューブの走査型および透過型電子顕微鏡像を解析し直し、その径およびアスペクト比から、中空構造を持つことを確認し、上記のモデルを定性的に合理性の高い合金ナノチューブ創成機構のモデルとした理論を論文誌にて公表した。また、実験装置の準備段階で得られた分光に関する知見も学会発表や論文誌にて公表した。
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