研究課題
本研究の目的は、様々な生体分子、特に生体機能分子であるタンパク質を対象に単分子レベルでその温度条件による反応および分子間相互作用を調べ、さらに分子の構造や反応機構、ダイナミクスを明らかにすることを目指して、その新しい手法として単分子の熱力学的反応計測用センサーおよび温度可変ソースとしで"シリコンおよび金属ナノワイヤーのヒーター"を製作、評価する研究である。実際ナノワイヤーの温度測定を行うため、既存のEBリングラフィー装置を用いて金属ナノワイヤーを製作し、その上に量子ドットを固定させ、温度変化によって変わる量子ドットからの蛍光スペクトルのマッピングにより温度分布の領域を検出した。量子ドットからのプォトフリーチング現象や安定性に問題が発生して、蛍光性色素であるローダミンBを用いてナノワイヤーの温度分布の計測を行う実験に取り組んでより安定でナノワイヤーの温度分布マッピングに成功した。さらに安価でかつハイスループットの単結晶シリコンのナノワイヤーを製作し、作製したナノワイヤーをヒートソースとして利用するため、その温度制御ができることを確認した。今後、シリコンナノワイヤーの上に自己組織化単分子膜(例えば、Ni-NTA)を用いた表面処理を行い、生体分子・たんぱく質などを固定する。最初はよく使われているGFP(Green Fluorescent Protein)などを用いて、上記の実験で調べたナノヒーターの温度条件とともに、その蛋白質の温度変化による反応を調査する予定である。
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http://www.kimlab.iis.u-tokyo.ac.jp/publication/publication.html