今年度では、H19年度FDTD(Finite Difference Time Domain)法を用いた素子間cross-talk現象の解析結果に基づいた設計によって作製した2次元アレイフォトマスクを用いて、指紋センサ画像度に要求される素子間ピッチ50μm(500dpi)アレイデバイスの加工プロセスを検討しサンプル作製を行った。スパッタ技術による製膜手法を用い保護膜材料による特性の影響を検討し評価を行った。熱絶縁効果とセンサ素子の感度・応答性の改善のため柔軟性特性を備えたポリイミドフィルムをデバイス基板材料とし、貫通配線と平面交差配線法など2次元センサ素子アレイに対する配線手法を加エプロセスの面から詳細検討を行った。2次元アレイ配線において、素子数の増加に伴う配線数の急激な増加と、熱型センサ特有のセンシング素子加熱用配線とセンサ素子から検出信号を取り出す配線の配置の課題について、回路技術と信号処理技術を活用することによってセンサ素子加熱用とセンサ素子からパターン検出用電気信号を引き出す配線を共有させて配線の数を減らす手法を検討中である。半導体プロセスによる制御回路の別チップの案も考慮に入れ、これからの1年を利用し、今までに蓄積してきた基礎データと基本研究手法を活かして検討中の残り課題を解決し、既存技術での課題解決の実証を目指す。
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