研究課題
昨年度設計を行った画素サイズ500ミクロン角、検出器サイズ100ミクロン角(開口率:4%)の5×5画素マイクロレンズ試験用サーモパイルアレイセンサに接合するシリコン赤外線マイクロレンズアレイを設計した。赤外線マイクロレンズアレイの設計においては、平凸レンズを想定して、レンズの曲率半径、シリコンの厚さ、レンズ裏面から赤外線センサまでの距離を変化させ、集光状態をCODE Vによりシミュレーションした。今回は開発期間が限られていることから、レンズ加工に生産性は低いが、これまでにシリコン加工に実績のある機械加工を採用した。このため、マイクロレンズを画素サイズ一杯に広げることは不可能であり、直径340ミクロンの球面レンズとした。シミュレーションの結果、このレンズを用いることで、レンズ面に入った光の98%程度を直径100ミクロン円内に集めることができ、レンズに反射防止を施し80%の透過率を実現できたとすると、マイクロレンズのない場合に比べ、開口率は9倍に増大し、7倍以上の感度が実現できることが分かった。赤外線アレイセンサと赤外線マイクロレンズの接合をシリコン-シリコンの常温接合で行うことを前提に、組立工程の検討を行った。常温接合で要求される設計基準が明らかになったので、前年度設計した赤外線アレイセンサに、接合構造を付加したマスクの設計を行った。組立は、接合後、2回ダイシングを行うこと赤外線センサとレンズを異なった大きさに切断し、切断後にXeF_2ガスによるシリコンエッチングで断熱に必要な中空構造を形成する方式とした。設計した赤外線アレイセンサとシリコン赤外線マイクロレンズアレイを試作し、組立を行った。形状は完成したが、マイクロレンズの効果の光学的確認には至らなかった。
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第8回防災・情報システムシンポジウム「防災と安全のための複合大規模センサシステムおよびロバストネットワークの構築」論文集
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電気学会論文誌E (掲載決定)
Proceedings of the 25th Sensor Symposium on Sensors, Micromachies
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