病院経営は外来診療より入院患者の確保に大きく左右される。入院経路は、(1)救急車搬送等、(2)他医療機関の紹介、(3)外来患者からの入院に分類できる。(1)と(2)は患者自身による病院選択ではない。したがって、(3)の外来患者の病院選択行動への理解が入院患者の確保につながる。このことから、患者による病院選択行動は、病院の魅力度、東京都市部と地方中核都市、公共交通機関の整備状況、通院時間、年齢、自覚する病状の重症度等によって異なるという仮説に基づき、患者のレセプトデータとアンケート調査データから、患者の病院選択行動における要因とその相互関係の構造を抽出し、それを入院患者の確保策や病院経営の戦略に応用することが、本研究の目的である。
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