研究概要 |
本研究では,頑健でかつ長寿命なネットワーク構成方法の構築を目指し,以下の研究を行った。(1)センサネットワークの分断に関する研究(2)省電力型ページング方式に関する研究(3)移動特性に対して頑健なネットワークに関する研究 (1)では,ノード,リンク故障に伴うネットワーク分断のメカニズムを明らかにした。ネットワークの分断は,ネットワークとして繋がっていて機能していた部分のセンサノードが停止することにより発生する。センサノードの停止は故障とバッテリーの枯渇の二つの理由が考えられる。センサネットワークの分断が発生するとセンサネットワークのカバー率が減少しその役目が果たせない状況になる。どのような場合に,どのようにしてネットワークの分断が起こるのかシミュレーションによりそのメカニズムを究明した。 (2)では,省電力かつ迅速にノード位置を把握するためマルチステップIPページングにおける移動ノードの存在確率分布に適応したグルーピング方式を提案した。その結果,移動ノードの迅速な位置登録管理が可能になった。さらに,提案方式の利点と利用可能範囲を定量的に示した。 (3)では,ユーザの移動が通信サービスに及ぼす影響についてシミュレーションを行い比較・検討した。二次元セルラー移動通信システムにおいて,ユーザの動きがブロック率,ドロップ率,チャネル利用率へ及ぼす影響を定量的に評価した。本研究では,利用者の立場から捉えた移動通信システムの性能評価が可能となり,利用者の利用形態に即した移動通信システムの設計評価を行う上で重要な基礎的考察を行うことができた。 以上のように,本研究成果は回復力の高い長寿命情報ネットワーク構築に大きく資するものである。
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