研究概要 |
生活用製品と医療の2つの分野に対し,事故情報を収集し活用するための社会の仕組みとして,企業、市民、公の関係のモデル化を試み、情報活用の可能性を検討した. 1. 製品トラブルに関して 製品事故情報の活用のための社会における仕組みが構築されつつあるが,その全貌を明らかにするために,公の組織を含めた三位一体のモデル化を試み,事故情報の流れを明らかにした.その枠組みの中で,どこに事故情報活用の壁があるのかなどを明らかにし,それらの結果を日本品質管理学会のシンポジウム及び学会誌で発表した.特に,独立行政法人製品評価技術基盤機構の位置づけを考察するために,機構でのヒアリングを行い,米国のCPSC(米国消費者製品安全委員会)との比較検討を始めている.また,新聞情報による市民への事故情報伝達の正確性や網羅性なども過去7年程度の主要新聞を調査・分析し,その結果を学会及び学会誌にて発表した. 2. 医療トラブルに関して 事故情報の活用の可能性を検討するために,病院において多く発生しているアラーム対応事故に着目,特定病院のアクシデント報告レポートを基にFTA手法を用いてその背景にある心理要因や組織要因を追究した.その結果に基づき,アラーム事故の未然防止のためのチェックリスト及びWeb上で稼動する対策支援ツールのプロトタイプを作成した.業界での仕組みに関しては,第三者機関である日本医療機能評価機構で集められている事故情報の活用の可能性を調査中である.
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