研究課題
社会の少子高齢化に伴い独居高齢者または高齢者だけの世帯(高齢家族)が急増してきた。多くの人々が家族で支え合いたいという意識を持っているが、現実には核家族世帯数や単身世帯数は増加、三世代同居の世帯数は減少傾向にある。本研究では、高齢家族とあたかも同居しているように生活状況を把握できる環境を提供することを目的として、「高齢家族とバーチャル同居を実現させるユビキタスITシステム」を構築した。昨年度に試作したシステムを改良・発展させた。具体的には、相手家族宅のTV使用状況だけでなく屋内照明状態もモニタリングするセンサシステムに発展させた。さらに、被験者から収集した生活の習慣性の指標となる日常生活情報長期データより、日常生活からの逸脱を定評評価するアルゴリズムを創製した。TV利用と照明状態、さらに日常生活からの逸脱の程度を直感的に把握できるようPC画面のデザインを改良した。この改良・発展システムを評価するため、被験者9名がシステムを利用した。被験者には口頭と書面により研究内容を丁寧に説明し、書面によるインフォームドコンセントが得られた場合にのみ、システム利用を実施させた。被験者に行ったシステム利用に関するアンケート調査では、「画面表示はわかりやすく、システムから相手の生活状態を推測できる」とほとんどの被験者が回答した.また、「安心感が増す」、「便利である」という意見が聞かれた。これらより相手世帯を気遣う密着性のある親子間では、生活状態を見守ることでお互いの不安を軽減する、平常と異なるテレビ利用状態の発見から連絡を取り合う、家族間のコミュニケーションツールとして利用する、ことなどが可能となることで、高齢家族と離れて居住していても生活状況をある程度把握できる環境が提供できると考えられる。
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信学技法 108(479)
ページ: 113-116
信学技法 108(72)
ページ: 21-24
Proceedings of The 6th International Conference of the International Society for Gerontechnology (CD-ROM)
Proceedings of The 23rd International Technical Conference on Circuits/Systems, Computers and Communications (ITC-CSCC 2008) (CD-ROM)