研究概要 |
平成19年度では,コンピュータによる簡単なBluetoothネットワークを構成し,シミュレーションを行い,トラヒックながれの測定を行った。そして,コンピュータでアドホックネットワークのシミュレーションも行った。理論モデルについて,まず,二種類のトラヒックと二つのサーバにより構成されたネットワークを考え,行列解析の手法を用いてトラヒックの長さと応答時間の定常分布を求めた。そして,バッファのオーバーフロー確率及びトラヒックの呼損率が決定できた。次に,移動通信ネットワークの特徴を考え,二つ以上のトラヒックと二つ以上のサーバにより構成された移動通信ネットワークモデル,すなわち,Multiserver Polling Systemの解析を行った。行列解析の手法を用いてトラヒックの長さの定常分布を求めるアルゴリズムを与えて,そして,システムの応答時間の定常分布と平均応答時間を求めた。これらの結果を用いて,バッファのオーバーフロー確率及びトラヒックの呼損率が決定でき,そして,オーバーフロー確率とトラヒックの損失率を最小にするためのガードチャネル数が決定できた。さらに,それぞれのトラヒックが要求するサービス品質(QoS)を満たすために,トラヒックに対するアクセス制御,すなわち,Admission Control集合及びアルゴリズムも決定できた。最後に無線通信ネットワークに関する最新の研究結果を発表する国際会議に参加し,研究結果の交流とこれからの研究について打ち合わせを行った。
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