研究概要 |
前年度の成果に基づいて,モジュールテストと結合テストに対する信頼性評価技術の開発を行った.具体的には次のように要素技術を列挙することができる。 (1)ソフトウェア・アーキテクチャモデルの開発:多数のモジュール(コンポーネント)から構成されるソフトウェア・アーキテクチャ上で、モジュールテストの実行プロファイルを記述するための信頼性モデルを定式化した。実行プロファイルの推移率や結合テストの失敗確率はすべて可観測ではないため、パラメータの推定にはEMアルゴリズムもしくは変分ベイズアルゴリズムを用いた。 (2)実験システムの追加整備:分散開発環境下でのモジュールテスト環境を仮想的に模擬するために実機システムを整備した。これにより、モジュールテスト、結合テスト、システムテストという一連のテスト環境を連続してシミュレート出来る実験環境が整った。 (3)適応オンライン推定に基づくテスト進捗過程の再構成:前年度に開発されたシステムにモジュールテストに対する信頼度推定機能を付加し、テスト工程全般を通じて信頼度を推定するためのスキームを確立すした。 (4)テスト環境の変化への対応:テスト工程において発生する「フォールトの検出傾向の変化」時点を統計的に検出する機能を追加し、テスト環境の変化(モデルの構造変化)に対応することの出来るロバストな推定スキームに変更した。 (5)ウェッブアプリケーションの開発と実証研究:得られた理論的成果を基に、自律的ソフトウェア信頼性評価を実施するためのウェッブアプリケーションの開発と、実工程で観測されたデータに基づいて実証研究を行った。
|