研究概要 |
与えた条件が満たされなかった場合の評価や処理について検討するため,現場の勤務表を実際に作成して評価ができるような勤務表作成アルゴリズムの構築を目指した. 訪問介護スタッフスケジューリングにおいては,利用者へのサービスやヘルパーの勤務負荷等のバランスを考慮する1週間分の勤務表作成アルゴリズムを構築し,それをエンジンとする勤務表作成支援システムを構築した.アルゴリズムでは,サービス時間指定制約を緩和した線形計画問題を考え,分枝限定法の枠組みで勤務表を作成する.サービスとヘルパーとの担当制約設定において双方の時間制約が考慮されているせいか,緩和解に残される不都合(分枝しなくてはいけない状況)は比較的早期に解消され,高速に解を得ることができた.目的関数には,カバーできないサービス数の最小化を設定したが,解を得るのに時間がかかる場合には,最適解の保証がなくても終了するよう停止条件も設定した.2つタイプ(週毎の変動が比較的少ない,多い)のヘルプステーションで勤務表を作成したところ,作成方法は異なったものの,いずれにおいても実際に利用された勤務表を作成することできた.変動の少ないヘルプステーションにおいては,バランスのよい1週間分の勤務表をアルゴリズムで作成し,それを各週に割り当て,不可能な部分については手直しを行った.もう一方のヘルプステーションでは,週毎で異なるスケジューリングを行って勤務表を作成した. 一方,ナーススケジューリングにおいては,列生成法に基づくアルゴリズムの可能性について検討するため,実際にアルゴリズムの構築を行っている.
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