本研究課題では1.水準によって分散が異なる場合の多試験室多水準共同実験の研究 (1)外れ試験室の検出法の研究 (2)推定される併行精度と再現精度の推定性能の評価と必要な試験室数の研究 2.水準によって分散が異なる場合の枝分かれ型多試験室多水準共同実験の研究 (1)外れ試験室の検出法の研究 (2)推定される併行精度、中間精度、再現精度の推定性能の評価と試験室数の研究 3.スタッガード型枝分かれ計画による併行精度、中間精度、再現精度の推定性能評価 4.併行精度、中間精度、再現精度のロバスト推定法の研究 を目的として研究を進めた。 目的の1.(1)「外れ試験室の検出法」に関してはその方法論については既に提案していたが、これを実際に適用できるようにするために用いる統計量が複雑なためモンテカルロ法によって検定の精密な棄却限界値を導いた。目的の1.(2)「推定性能の評価と必要な試験室数」は、一つの因子に関して不等分散の場合の二元配置データの解析であり、まず一般化線形模型によるアプローチで解決を試みた。さらに、外れ値検定の結果生じる繰り返しが不揃いになった場合の解析法の検討も開始した。 これらの結果を、2009年6月にクアラルンプールで開催されたISO/TC 69/SC6総会、及び9月にイェテボリで開催されたEuropean Network for Business and Industrial Statisticsで発表し、有益な議論を得た。
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