研究課題
本研究の目的は動的および静的な数学的モデルが未知の問題に対し、できる限り少ない実験回数によってそのモデルを予測しながら最適化を行うことである。本年度は、昨年度に引き続き手法の洗練と、その理論的裏付けを行ったが、これまでの単一目的の逐次近似最適化と異なり、より少ない実験点で多目的最適化におけるParetoフロンティアの近似精度をあげるための追加実験点の取り方に工夫した。具体的には、対話型多目的最適化手法の一つである満足化トレードオフ法を用い、与えられた希求水準に最も近いPareto解を逐次近似最適化によって求め、局所情報を与える追加サンプルとしてその近傍に1点を追加し、同時にParetoフロンティア全体の近似精度を上げるためにランキング法におけるランク関数がなるべく小さくなる点を追加する。さらにもう一つの大局情報を与える追加サンプルとして既存のサンプル点が疎な場所に1点を追加する。この方法によって、単に一つのPareto解とその近傍のフロンティアを提示するだけでなく、Paretoフロンティア全体の概観を把握することによって意思決定者のトレードオフ分析が行いやすくなるようになった。以上の手法のコンピュータプログラムを作成し、テスト問題でその有効性を検証し、さらに実用性の観点からも検討を加えた。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件)
IFIP World Computer Congress : Artificial Intelligence in Theory and Practice, Springer
ページ: 319-328
Proc. of Symposium on Watershed Geology and Disasters in Slope Environment
ページ: B-1,B-14
Multiobjective Optimization-Interactive and Evolutionary Approaches-, ed. by J. Branke, K. Deb, K. Miettinen and R. Slowinski, Springer
ページ: 245-284
ページ: 285-328