研究課題/領域番号 |
19510166
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研究機関 | 長野県短期大学 |
研究代表者 |
下平 佳江 長野県短期大学, 生活科学科, 助手 (80261098)
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研究分担者 |
加藤 麻樹 長野県短期大学, 准教授 (00312166)
大橋 信夫 (財)労働科学研究所, 客員研究員 (50203899)
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キーワード | 高齢者 / PC活用 / 生活支援 / 農業工学 / 農業活性化 / 農業ボランティア |
研究概要 |
高齢者が農産物販売にインターネットを利用できるようPC講習を開催し、農作業の中で負担の大きい除草作業の軽減・自動化と、人的支援の導入により過疎地域の農業の活性化をすることが本研究の目的である。 21年度は人的支援として東京農工大学生の農業実習を中条村にて継続実施し、学生と受入れ農家の双方に、実習に関する各々のニーズを明らかにした。その結果、農家は学生を「援農者」として期待する傾向が強いが、学生は農作業よりも過疎地域に関する学習を目的にしているなど、双方のニーズの擦り合せが必要なことが明らかになった。また、秋には援農者を期待する農家にて、長野県短期大学の学生による農業ボランティアを実施し、学生が興味を示した農作業や昼食メニューを抽出して、他の農業ボランティア確保のために必要な要件を明らかにした。さらに、首都圏から信州を訪れた大学生を対象に実施した農業ボランティアに関する質問紙調査では、大学生は田植えや稲刈りよりも野菜の苗の定植や収穫作業に興味を示し、観光とセットにした農業体験スタイルを望む割合も高かいことが明らかとなった。 農作業の負担軽減では、傾斜地での大豆収穫作業に、従来の鎌ではなく剪定鋏を利用することで、約2倍の効率アップと、作業姿勢が楽になることを実証した。また農業ロボット開発のための基礎資料として、マインドストームを利用して、耕作用ロボットや除草用ロボットとしての要件抽出を試みた。 また、農産物のネット販売を希望する専業農家のブログを開設し、農作業や風景写真などを自分で更新できるように指導し、PC継続利用のモチベーション向上に寄与した。また、農家との電話連絡に躊躇する学生はブログやメールでのやり取りが可能になり、農家と農業ボランティアとの連絡ツールとしてもPC技術は必要であることが示されたので、今後の研究実施の際にも効果的な使用を推進していく予定である。
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