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本年度は、昨年度に構築した、時間的に機能構造が変化するフェーズドミッションシステム(PMS)に対する各フェーズで初めて故障する発生確率を評価する枠組みの改良を行った、PMSではフェーズが切り替わる瞬間に潜在的に存在していたシステム故障発生要因が顕在化することがある。事故に至らないようにするためには、システム状態の推定方法について検討した。システムの進展とどもに逐次得られる情報を用いてシステム状態推定確率を更新するために、ベィジアンネットワーク(BN)をシステムモデルツールとして採用した。これにより、従来のフォールトツリー分析では、故障診断と故障予測を個別に実施する必要があったが、同一モデル上で簡単に行える。また、過去に得られている故障情報や定量的データを用いてモデルが更新が行いやすい特徴がある。BNに基づく方法は時間軸に沿って前向きに推定を行うのが基本であるが、異常な兆候が現れた時は時間を遡って原因推定が可能である。また、従来の信頼席解析では要素に対しては単一故障を仮定することが多かったが、PMSでは機能構造が変化するので、要素に要求される機能も異なるので複数故障モードを考慮しなければならない。そこで、要素故障モデルとして複数の各故障モードが独立に進展してその1つのみが故障に至るという競合モデルを採用した。各故障モードが指数分布に従い、故障発生率が時間に依存しない場合は解析的に解が得られ、BNを用いて分析する場合も計算が簡単化される。これにより、PMSの故障推定と故障原因同定を行う枠組みを確立した。
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