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2009 年度 実績報告書

中小規模建築ストックの地震リスク評価およびその情報の地域共有化手法

研究課題

研究課題/領域番号 19510173
研究機関首都大学東京

研究代表者

山村 一繁  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (30220437)

研究分担者 見波 進  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (00219693)
中村 孝也  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (50305421)
饗庭 伸  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (50308186)
吉川 徹  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (90211656)
キーワード防災 / 地震リスク / 耐震性能 / 地理情報システム / 地震観測
研究概要

本年度は,葛飾区東四つ木地区地区を対象に,地震リスク評価を行った。
解析手順は次のとおりである。
i) 地区内の複数点の地盤柱状図を入手する。
ii) 地盤柱状図より,地盤モデルを作成する。
iii) 重複反射理論に基づく弾性解析により,地盤の固有周期の計算する。
iv) 一次元波動論に基づく等価線形解析により,1923年関東地震,建築基準法で定められたごくまれに起こるとされる地震(告示波),地震東京湾北部地震(中央防災会議)の3地震を対象に,地区内の計測震度および地表面変位応答を計算する。
その結果,以下の結論を得た。
1) ひとつの地区内でも,地盤の状況にはかなりばらつきがある。
2) 地盤固有周期は,西側では0.6秒程度であるが,東側では1秒を越える地域もあり,かなり軟弱な地盤である。
3) 計測震度は地震により異なり,関東地震で震度5弱から震度5強でもっとも小さく,次が告示波,東京湾北部地震が震度5強から震度6弱ともっとも大きい。これらの数値は既往の被害想定と比較すると小さいものであるが,その原因は局所的に極端な軟弱地盤が存在することであり,既往の想定では不十分であることが明らかとなった。
4) 東京湾北部地震における変位応答を,固有周期が0.2秒以下(鉄筋コンクリート造建物を想定),0.2~0.4秒(鉄骨造建物を想定),0.4~1.0秒(木造建物を想定)の値のそれぞれの平均値で評価したところ,鉄筋コンクリート造建物では0.1cm以下,鉄骨造では0.5cm程度,木造建物では数cmと,鉄筋コンクリート造建物の揺れは小さいが,木造建物はその数十倍の揺れになることが分かった。
以上より,東四つ木地区はかなり軟弱な地盤であるため,地震時には大きな揺れを生ずる可能性が高く,特に木造建物では大きな被害が予想される。また,地盤そのものの被害にも注意が必要で,液状化や基礎・杭の損傷も懸念される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 建築物における強震観測の現状調査2010

    • 著者名/発表者名
      片岡俊一・山村一繁, ほか4名
    • 雑誌名

      日本建築学会技術報告集 32

      ページ: 87-90

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 診断基準における極脆性柱の靭性指標に関する検討2009

    • 著者名/発表者名
      渋市克彦・芳村学・中村孝也
    • 雑誌名

      日本地震工学会大会-2009梗概集

      ページ: 50-51

  • [雑誌論文] 既存壁式プレキャスト鉄筋コンクリート構造集合住宅の耐震性能と開口新設後の性能評価手法に関する研究2009

    • 著者名/発表者名
      今泉麻由子・見波進, ほか4名
    • 雑誌名

      日本建築学会大会学術講演梗概集 C-2

      ページ: 655-656

  • [学会発表] 木造住宅密集地域における改修行為の実態と防災意識に関する調査2009

    • 著者名/発表者名
      齋藤茂樹・深尾精一・饗庭伸
    • 学会等名
      日本建築学会大会
    • 発表場所
      東北学院大学
    • 年月日
      2009-08-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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