研究概要 |
有珠火山における噴火位置・時間・規模・様式・推移といった高次の活動予測を実践するために,過去の噴火時の観測データ解析・文献調査からの活動の法則の発見,その科学的背景の理解に向けてマグマ活動を規制する場の解明を目指している. 2年度目に当たる本年度は,研究代表者(鬼澤)は初年度に引き続き2000年噴火前兆地震の地震学的記載に向けたデータ処理を進めている.また,1910年,1977年噴火に関する論文中に表として記載されている地震の時間別発生頻度や初動到達時刻などのデータを実際の解析に利用可能にするために数値化する処理を進めた.研究分担者(大島)は初年度に引き続き1977年噴火当時のカードに記録された地震データの再利用に向けたデータ数値化処理を行った.さらに比較研究に用いる論文のライブラリー化を目指し電子化を進めている.研究分担者(青山)は非噴火時における地震活動・地殻変動の特徴とその火山活動の中での意義を議論した論文を執筆し,国際誌に投稿した.さらに発震メカニズム推定に向けたソフトウェアの開発を行った.また研究代表者・分担者との共同で地下構造推定に向けて臨時観測も行いデータを取得するとともに,これら一連の作業について逐次情報交換・研究打ち合わせを行ってきた. これらの作業を進めるにあたり,予算は研究者間での共同解析・研究打ち合わせや野外観測のための旅費,現地におけるデータ処理用パソコン・観測資材等の物品購入に使用した.
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