研究課題/領域番号 |
19510191
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
山中 稔 香川大学, 工学部, 准教授 (50264205)
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研究分担者 |
長谷川 修一 香川大学, 工学部, 教授 (00325317)
吉田 秀典 香川大学, 工学部, 教授 (80265470)
増田 拓朗 香川大学, 工学部, 教授 (80133164)
守屋 均 香川大学, 工学部, 講師 (50150371)
石塚 正秀 香川大学, 工学部, 准教授 (50324992)
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キーワード | 自然災害 / 地盤工学 / 地質工学 / 土砂災害 / 防災 |
研究概要 |
本研究では、斜面崩壊の発生要因としての地下水の役割に注目し、基盤岩と斜面表層土の透水性の差(permeability contrast)を斜面崩壊の規模との関係を解明し、斜面崩壊の限界雨量の理解を深めることを目的とする。平成19年度は、(1)過去の災害資料調査(瀬戸内地域の丘陵地帯、四国山地)を行うと共に、(2)崩壊分布・崩壊規模調査(2004年の四国地域の台風災害を対象に現地調査)、(3)崩壊斜面の透水性調査(斜面表層土は現場測定、基盤岩は既存資料のルジオン値を採用)、(4)谷密度(2万5千分の1の地形図から作成されたDEMデータを使用)を主に実施した。 平成19年度の主な成果を以下に示す。 1)香川県森行地区では、表層の風化堆積物の透水性は高いが、その層厚は1m前後と極めて薄く、その基盤岩の透水性は低い。このため斜面に浸透した降雨は地下へ浸透貯留することができず、累積雨量が200mを超えたあたりから、表層土中の間隙水圧が上昇し崩壊が発生したと推定される。 2)徳島県阿津江地区は香川県森行地区の谷密度よりも低い値を示す。これは、阿津江地区のように透水性の高い斜面では、雨水が斜面地下深部まで容易に浸透するため、崩壊が発生しにくく、谷ができにくいと解釈される。
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