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2007 年度 実績報告書

ケモカインファミリー遺伝子の「生と死」と新規機能獲得に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19510197
研究機関熊本大学

研究代表者

野見山 尚之  熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (00156225)

研究分担者 瀬戸山 千秋  熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (60040250)
長田 直樹  独立行政法人医薬基盤研究所, 生物資源研究, 研究員 (70416270)
キーワードケモカイン / カニクイザル / CXCL1L / 遺伝子重複 / 偽遺伝子 / 翻訳 / 遺伝子発現調節 / CXCL1
研究概要

我々がESTデータベースから見いだしたカニクイザル特異的新規ケモカインCXCL1Lの受容体同定を行うために、タンパク質をカイコや培養細胞で発現させようとしたところ、よく似た遺伝子CXCL1は発現されるのに対し、CXCL1L遺伝子はほとんど発現されなかった。また、CXCL1L遺伝子の選択的スプライシングによる転写産物を用いた解析から、CXCL1遺伝子第4エクソンの約50アミノ酸残基のコード領域が存在するとタンパク質がほとんど合成されないことがわかった。しかし、この配列を3'非翻訳領域に挿入してもタンパクは合成され、また第4エクソン・コード領域が存在してmRNAレベルでは変化ないことから、翻訳レベルで抑制されていることが示唆された.またこの第4エクソン・コード領域を海綿蛍光タンパク質DsRed2のN末端やC末端に結合させてもタンパク質合成がほぼ完全に抑制された。CXCL1L遺伝子はカニクイザルと同じ旧世界ザルのアカゲザルにも存在するが、,ヒトなど他生物では欠失により偽遺伝子となっている。したがって、タンパク質を合成できなぐなったことから、旧世界ザル以外では偽遺伝子化したと考えられる。一方、旧世界ザルでは選択的スプライシングにより、第4エクソン・コード領域を含まない転写産物を合成する戦略を採ったものと思われた。CXCL1L遺伝子はCXCL1遺伝子から重複によって形成されており、CXCL1L遺伝子が偽遺伝子となっても不思議ではないが、旧世界ザルで何故この遺伝子が活性な状態で保存されているのかについては不明である。しかし、この抑制機構を詳しく解析すれば、新規の遺伝子発現調節機構の発見になるものと期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Extensive expansion and diversification of the chemokine gene family in zebrafish: Identification of a novel chemokine subfamily CX2008

    • 著者名/発表者名
      Nomiyama, H.
    • 雑誌名

      BMC Genomics (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] マカク属サル特異的な新規ケモカイン遺伝子CXCL1L2007

    • 著者名/発表者名
      代表 野見 山尚之 (代表者)
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      神奈川県横浜市
    • 年月日
      2007-12-11

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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