我々はこれまでに染色体を自在に改変する技術を開発して、ヒト人工染色体(HAC)ベクターを構築してきた。HAC ベクターは、宿主細胞(ヒト/マウス)内で内在の染色体から独立して安定に維持され、部位特異的組み換えシステムを利用してBAC サイズ(100~200kb)のゲノムDNA が搭載できる。これらの特徴から、HAC は「センサーローカス」のプラットフォームとしての可能性を持つ。そこで本研究では、BAC クローンを改変して発現制御領域の下流にレポーター遺伝子を組み込み、これをHAC ベクターに搭載することで、生細胞内の遺伝子発現動態が解析できる実験系の確立を試みた。
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