研究概要 |
ゲルセミウムアルカロイドは,複雑でひずみのかかったユニークな構造を有するインドール、オキシインドール類である。その内,腫瘍細胞に対して強力な細胞毒性作用を有することが明らかとなったGelsedine型ゲルセミウムアルカロイドを素材として新規分子標的抗腫瘍薬リード化合物の創製を目的とした研究を行い,以下の結果を得た。 Gelsemium elegansより新規Gelsedine型アルカロイド4種を得,スペクトルの解析と既知化合物からの化学変換によりその構造を決定した。この内3種はGelsenicine類の19位にMethyl glyoxylateが結合した構造を有することが明らかとなつた。また,これまでに詳細な検討が行われていなかつたG.rankiniiについて成分探索を行い,既知アルカロイドHumantenineのN_bにもう一分子のイリドイドが結合した新しいタイプの新規Humantenine型アルカロイドをはじめとして,新規アルカロイド9種を見い出した。さらに,これら植物より新規イリドイド4種も合わせて単離した。 構造活性相関研究のためGelsedineの14,15-dihydroxy体,Nb-formyl体等の誘導体合成を行った。また,Gelsedine型アルカロイドの不斉全合成について検討した。 以上より得た新規アルカロイド,誘導体について数種のヒト腫瘍細胞に対する細胞毒性評価を行うとともに,細胞周期への影響を検討した。
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