腫瘍細胞に対する強力な細胞毒性作用を有するゲルセミウムアルカロイドを素材として、新規抗腫瘍楽リード化合物の創製を目的とした研究を行い、以下の結果を得た。 Gelsemium elegansより新規ゲルセジン型オキシインドールアルカロイドを単離した。 Gelseoxazolidinineはオキサゾリン環を含む特異な六環性構造を有するオキシインドールアルカロイドである。本骨格はGelselegine類のN_bとC21位の間でC1ユニットが縮合することにより生成すると考えられ、その考えに沿って合成した14-Deacetoxy体と比較することでその構造を確認した。Gelsevanillidineは既知アルカロイドGelsenicineにバニリン残基が結合した構造を有し、Gelsenicineからの化学変換を行うことによりその構造を決定した。さらに、ゲルセジン型、コウミン型、フマンテニン型の新規アルカロイドを多数単離し、スペクトル並びに化学変換による構造解析を進めている。 Gelsemium rankiniiより大量入手可能なフマンテニン型アルカロイドからゲルセジン型アルカロイドへの効率的な供給経路を確立した。 また、ゲルセジン型化合物を含む代表的なアルカロイドについて腫瘍細胞に対する細胞毒性評価等の生物活性評価を行った。その結果、ヨヒンバン型アルカロイドが腫瘍細胞に対する強い細胞毒性活性を持つことが明らかとなった。
|