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2008 年度 実績報告書

無顎類口腔腺分泌液における新規の生理活性物質の探索

研究課題

研究課題/領域番号 19510214
研究機関新潟大学

研究代表者

小谷 昌司  新潟大学, 自然科学系, 教授 (60018702)

研究分担者 内海 利男  新潟大学, 自然科学系, 教授 (50143764)
キーワード無顎類 / 血液凝固 / 金属プロテアーゼ / 線溶 / フィブリノーゲン
研究概要

寄生性のヤツメウナギの口腔腺分泌液には古くよりlamphredinとよばれる血液の抗凝固活性物質などが知られているが、その生化学的本体は未だ明らかでない。昨年度の研究では、まず、分子量2万5千のタンパクについて,これが新規の電位作動性のLタイプカルシウムチャネルのブロッカーであることを明らかにした。本年度の研究では血液凝固阻止活性の本体の解析を実施し,まず口腔腺液のゲルろ過分画における血液凝固阻止活性の分布を検討した。また本研究の実施過程で中国の研究者グループが口腔腺液にフィブリノーゲン分解活性があることを報告したため,この点も検討した。その結果,我々もカワヤツメロ腔腺液によってフィブリノーゲン3本鎖のうちAα鎖、Bβ鎖が特異的に分解されることを確認した。また、ゲルろ過フラクションでは160kDaのアルブミンよりかなり低分子側の画分において、顕著なフィブリノーゲン分解活性が認められた。このフィブリノーゲン分解活性はキレート剤のみが阻害したため、メタロプロテアーゼによると推測された。また2価金属イオンのうちCa^<2+>およびMg^<2+>の添加によってフィブリノーゲン分解活性が回復した。既知のメタロプロテアーゼはすべてZn^<2+>(一部にCo^<2+>)を要求するが,口腔腺のプロテアーゼでは亜鉛の添加は無効であり,Ca^<2+>あるいはMg^<2+>依存性の全く新しいメタロプロテアーゼであることが予想される。この活性を持つゲルろ過画分のアミノ酸配列分析ではアルブミンの断片、クレアチンキナーゼ、サイトケラチンなどと一致する配列を見いだした。今後さらに高度な精製やcDNAクローニングにより新規メタロプロテアーゼの存在を明らかすることができると期待される。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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