研究課題/領域番号 |
19510221
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
神田 宏美 北里大学, 理学部, 助教 (80234160)
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研究分担者 |
伊藤 道彦 北里大学, 理学部, 准教授 (90240994)
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キーワード | 7回膜貫通型受容体 / リガンド / 融合蛋白質 / 異種生物発現系 / シグナル伝達 / 生体膜内在性ウイルス / 大腸菌 / スクリーニング |
研究概要 |
本研究課題では、新規オーファンGPCRをクローニングし、宿主の生体膜を内包するバクテリオファージPR772のウイルス粒子産生機構を利用して、その生体膜中にGPCRを発現させ、組織抽出液と混合し、GPCRに結合したリガンドのスクリーニング法を確立し、リガンドを同定することを目指している。今までに、PR772のウイルス粒子形成に必要と考えられているメジャーキャプシド蛋白質P3、膜貫通蛋白質P16、マイナーキャプシド蛋白質P30、ペントン蛋白質P31にHisタグを付加したHis・P31を大腸菌で共発現させることにより、キャプシドの表面にHisタグが露出した生体膜内在性のウイルス様粒子(His・VLP)を再構成・精製することに成功している。本年度は、その基本プロセスを確立するために、リガンド不明なオーファンGPCRが多く存在すると推定されているファミリーlaの中で、まず、リガンド既知なGPCRについて、GPCRを内包したHis・VLPの再構成とリガンド結合実験系の構築を試みた。GPCRとしては放射性リガンドが入手可能なヒトのβ_2-アドレナリンレセプター(ADRB2)を選んだ。ADRB2をクローニングしてADRB2とP16との融合蛋白質の発現用プラスミドを構築し、P3、P30、His・P31の発現用プラスミドと共に大腸菌へ導入してこれら4種の蛋白質を共発現させた。この大腸菌を大量培養し、超音波破砕後、可溶性分画を超遠心にかけた結果、His・VLPと同様な粒子を含む分画を回収することができた。この分画に、融合蛋白質の存在も確認されたことから、粒子はその内側の脂質膜中に融合蛋白質を保持していることが推測された。そこで、この分画からNi-アガロースを用いて粒子を精製し、現在、放射性リガンド([^3H]-DHA)を作用させ、リガンド結合の有無を解析しているところである。
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