研究課題/領域番号 |
19510226
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物分子科学
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
日比野 隆 名城大学, 理工学部, 教授 (70218741)
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研究分担者 |
高倍 昭洋 名城大学, 総合研究所, 教授 (80097766)
田中 義人 名城大学, 理工学部, 教授 (10247679)
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連携研究者 |
高倍 昭洋 名城大学, 総合研究所, 教授 (80097766)
田中 義人 名城大学, 理工学部, 教授 (10247679)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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キーワード | 耐塩性ラン藻 / 遺伝子破壊 / トランスポーター / アンチポーター / 環境ストレス |
研究概要 |
耐塩性ラン藻(Aphanothec halophytica)は、死海から単離された光合成細菌で、幅広い塩濃度(0.25M~3.0MNaCl存在下)で生育可能であり、多くの環境適応メカニズムに関与する極めて特徴的な遺伝子を持つことを明らかにしてきた。また、A. halophyticaは、通常のラン藻とは大きく異なり、非常に高濃度のCa^(2+)存在下で生育し、同時に生育に伴い細胞外のpHが極めて高くなるという特徴を示す。このことは、Ca^(2+)イオンの取り込み・排出、それに伴なうH^+イオンの取り込み・排出が極めて効率よく機能して外部環境に適応していると推測される。現在、Ca^(2+)イオンの取り込み・排出に関与するApCAX遺伝子(Ca^(2+)/H^+アンチポーター)をクローニングを行い、アンチポーター遺伝子欠損した大腸菌を用いた発現システムでその機能解析を行った。また、淡水性ラン藻を用いてApCAX遺伝子過剰発現も試みた。 一方、特定の遺伝子・蛋白質の重要性を明らかにするうえで、遺伝子導入による過剰発現あるいは遺伝子破壊した植物の解析は、非常に一般的であり、有益な結果が多く得られている。塩生植物の有する特有の耐塩性メカニズムを明らかにするうえで、遺伝子導入の手法は不可欠である。しかし、塩生植物への遺伝子導入は極めて困難である。そこで、耐塩性モデル光合成細菌としてA. halophyticaへの遺伝子導入法を確立し、積極的に耐塩性メカニズムに関与すると思われる遺伝子・蛋白質の解析、さらに、相互作用している遺伝子・蛋白質の解明を計画した。現在、前述したApCAX遺伝子を抗生物質耐性遺伝子挿入による遺伝子破壊したプラスミドを構築し、A. halophyticaへの遺伝子導入法を試みている。染色体DNAの相同組み換えを行った。現在のところ、完全に破壊された株は得られていないが、一部DNAが破壊された株が得られているので、完全破壊株作出のための条件検討をする一方、予備的な研究を行っている。
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