研究課題
平成20年度は、地理情報の定量解析に関するデータ取得を行った。人口密度分布の各国規模のスケールでのメッシュデータを用い、特に日本、ベトナム、中国といった、特色のある人口密度分布が見られる国について、実際に人口密度ポテンシャルの計算を行った。計算は、地図上の領域を2次元デカルト座標であると仮定した場合のポアッソン方程式を数値的に解く事により実行した。計算にはICCG法を用いた。この計算により、地理的にどういった地域が人を引き付けているのか、地域の持つ人口密度分布を決定する要素について、定性的な議論のみならず定量的な分析が可能となる基礎資料を提示することが出来た。また、人口動態論などでのモデルを確立する過程として議論されて来た問題を、非線形段階で定量的に取り扱うことが初めて可能となった。計算の結果、特に日本、ベトナムの人口密度ポテンシャル分布に注目をした。日本のモデルにおいて、大都市圏への一極集中構造とその周辺部・中間部における人口密度ポテンシャルや勾配の構造が明らかとなり、日本での人口に関連する様々な社会問題への提言の基礎的な資料を取得することが出来た。ベトナムのモデルについては、ハノイおよびホーチミンによって形成される人口密度ポテンシャルの二極構造と日本でのポテンシャル構造との比較を行い、ベトナムにおける中間的な地方都市の発達と日本での過疎化との差異に関する指摘を行うなど、取得したデータに基づく応用段階での分析を行うことが出来た。具体的成果として、これらの結果を複数の論文と口頭発表の形でまとめることが出来た。
すべて 2009 2008 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
アジア・アフリカ地域研究 8-1
ページ: 52-74
アジア遊学 113
ページ: 196-203
Proceedings of International Symposium on GISIDEAS, JVGC Technical Document 4
ページ: 403-408
人文科学とコンピュータシンポジウム論文集 2008, 15
ページ: 195-200
http://www.cias.kyoto-u.ac.jp/~umekawa/geo_analysis/