トルコ諸都市について19年度までに行ってきた現地調査の図面データ及び収集資料の整理を行った。収集資料は、国内外におけるトルコの都市及び建築に関する文献、各行政機関で作成している都市計画図等の都市情報が主なものである。 19年度は本研究の初年度であるため、資料収集及び現地調査によるデータ収集を中心に進め、8月に第1回、3月に第2回都市・市場空間調査を実施した。黒海沿岸地域及びアナトリア中央部の諸都市を対象に各行政機関、小売商、露天商及び住民の協力を得て、資料収集とともに市場空間の現状、都市における位置づけを確認することができた。調査を進める中で、かつての隊商ルート沿いの都市が伝統的建造物の保存とともに都市及び市場空間の活性化に力を注いでいる現状が把握でき、次年度も継続して調査を行い、活性化に役立つ情報提供を目指すこととなった。 イスタンブルに関しては、行政機関に加え、小売商組合の協力を得て、イスタンブル市内の露天市の全体像を把握することができた。また、詳細については現在開催している市内355件のうちから中心部7区に限定した上で規模の異なる露天市を7区の中から数箇所選定し、開催地及び内容の現状調査を実施し、空間の特徴及び問題点について情報を収集した。 トルコの都市及び市場空間に関するデータベースについては既存データの情報を整理し、枠組みを仮構築した段階である。インターネット上での公開に向けて、WEBページのデザイン及び都市毎の掲載内容について、現地協力者からも意見をもらい、検討を重ね、公開準備を進めている状況である。
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