21年度は8.月と3月に現地調査を実施した。8月の第5回トルコ都市・市場空間調査では19年度、20年度の成果をもとに対象諸都市を選定し、対象11都市において市場空間の現状を記録すると共に資料収集及び現地協力者との意見交換等を行った。 21年度は研究最終年であるため、第1回から第5回までに実施した調査データをまとめ、データとしての汎用性を検討し、図面化及びデータベース化の作業をすすめた。図面化にあたっては、都市図(都市全体の構成を示す)、チャルシュ図(商業エリア全体の構成を示す)、パザル図(露天市の開催エリアを示す)の3図を都市毎に作図した。これらの図版及び調査データから市場空間の形態による特質を常設の市場空間(チャルシュ)と仮設の市場空間(パザル)に分け、分析、考察を行った。 研究成果が調査地の今後の活性化に役立つ情報になるよう心掛けた。研究成果として整理、分析した情報を研究者のみならず、幅広く一般に提供するためにデータベースに基づいて、Webサイト「トルコ都市・市場紹介サイト」を構築し、日本語とトルコ語によって公開している。Webサイトは都市別のページを基本構造として、調査で記録してきた現状写真及び作図した図面を盛り込み、視覚的にわかりやすく、かつ、その都市への訪問意欲をかきたて、訪問する際に実用的となるデータ提供を心掛け、整備した。 3月の調査ではイスタンブルを訪問し、作図した図面及びWebサイトのデータを持参し、意見交換をし、最終のまとめを行った。
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